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2話 下校

Auteur: satomi
last update Dernière mise à jour: 2025-06-01 07:15:43

「美乃梨ー、帰るぞ」

「あ、ああ、うん」

なんか同じ家に帰るみたいでこの会話が好き。……だって言うのに。

「小僧―――!性懲りもなくうちの美乃梨に近づきおって!」

「……父さん、方向が同じだから一緒に帰るだけだけど?」

「イカン!男女が!はぁ、なんていやらしいんだっ」

「……」

家での父さんと母さんのラブラブの方がよっぽどやらしいと思う。実際来年かな?私、高校生だけど弟できるし(予定)。

「あの、オジサン。いい加減、認めてくれませんか?」

「何を?」

「俺が「あーあー、聞こえません」

父よなんて古典的な聞こえないふりなんだろう?耳塞いで大声出してるし。

そんな時、遊樹は強硬手段に出た。

「オジサンが聞こえないフリを続けるならこっちも手があります」

そう言って、遊樹は私の顎を上に上げた。アゴクイというやつか?力加減しようね?首痛いよ?要するに遊樹は私とキスしようとしたのだ。

「な゛っ、貴様許さん!」

未遂なのになぁ。私の内心は残念だ。

「美乃梨と結婚したければ――「あ、それたくさん聞きました」

おお、わりと早くも遊樹は戦闘態勢だな。ここは学校だけどいいのかな?

案の定、生活指導とか出てきた。

「保護者の方ですか?ここは教育機関なので、そういった行為はやめていただきたい」

そうだよなぁ。学校の沽券にも関わる。責任問題とか、評判とか?

「父さん、そういうわけで一時休戦。平和に三人で帰りましょう」

「何を言うか!志保と佳穂さんも車で来ている」

何を偉そうに言うんだよ?おかしいでしょ?溜息出るなぁ。

母さんは妊娠してるんだから、連れまわさない方がいいんじゃないかなぁ?

そうして、私・遊樹・佳穂さん・母さん・父さんの5人で車で帰った。

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